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ベニス・シンプロン・オリエント・エクスプレス

静岡県下田市 山下絹枝様

2004年4月7日(水) 19:30 ニース出発
2004年4月7日(木) 09:00 パリ到着

 

いよいよ私たちは憧れのオリエント・エクスプレスに乗ったのである。スチュワードさんが鍵を持ってきて、部屋の使用法について説明をしてくれた。見回すとなるほど重厚な感じの部屋の造りで、まさに豪華な設備であると驚く。簡単に荷物の整理をし、落ち着いたところで化粧室へ行く。まあ、なんと!これはまた広い広い!客室の二つ分はあるだろう。磨かれた大きな鏡が私を映し出している。鏡の中の微笑みはモナリザか?私は思わず軽くステップを踏み、ぐるりと一回転した。いい気分だ。こんなに広い空間が列車の中に取れるとは、いかにも贅沢であり、やはり豪華である。


間もなく私なりのドレスアップをして食堂車へ移る。四人用のテーブルには既に美しいグラスなどが準備されていた。フルコースのフランス料理の晩餐である。少し気どってシャンパンで乾杯。ボーイさんの勧めでビールも、白ワインも…。ボーイさんたちは清潔で礼儀正しく、いかにも紳士的で心のこもったサービス振りでいっそう夢見心地。次々に運ばれてくる料理は一流のシェフによって作られた品々。どれも絶妙な美味しさで充分満ち足りた気分。シャンデリアに輝く優美な車内のムードも忘れ難い。誰かの歓声で窓外に目をやれば、そこはまさに光の海だ。ものすごいスケールの赤黄青の絵巻物風のパノラマ、右に左に広がる夜景が見え隠れする立体的な輝き…。こうして車窓からの夜景も満喫した。 バーサロンでは懐かしいピアノの音色。日本の童謡が流れていた。思わず小声で口ずさむ。


日本人である私たちを歓迎する優しい心遣いが嬉しかった。夜も更けてキャビンに戻ると、そこは豪華な二段ベッドの寝室に早替り。ゴブラン織り風の丈夫な紐がはしごの両側から下げられ、より安全を意識してくれていた。私は身軽く上段に昇った。枕の下で列車の車輪の軋む音が大きく小さく、強く弱く、リズミカルに聞こえてきた。きっと「日本のお客様、どうぞ楽しい一夜をごゆっくりと…」と、まるで優しい子守唄のように心地よく響いた。優雅な眠りに入る。翌朝は心地よい目覚めだった。みんな元気。まさに夢を運ぶ列車に「ありがとう!」と言ったのである。豪華な設備とサービスがヨーロッパの社交界の話題を独占し、数多くの人々に愛されたと聞けば、今回の体験は私の一生の宝物であろう。


東京都足立区ごんとら様
2004年8月26日(木)11:15 ロンドン出発
2004年8月27日(金)17:40 ベニス到着


8月下旬、新婚旅行で2週間かけてヨーロッパを鉄道で周遊し、そのメイン・イベントとして憧れのオリエント・エクスプレスに乗車しました。乗車前は、「私たちには不釣り合いではないか?」「ドレスアップは大丈夫だろうか?」など多少の不安もありましたが、ロンドン、ヴィクトリア駅でチェックインを終えると優雅で楽しい旅が始まりました。最初に乗車したプルマン車では、幅が広くすばらしい座り心地のダイニング・カーでランチとは思えない豪華な食事をいただき、あっという間にフォークストンへ到着しました。バスに乗り換え、カートレイン(ル・シャトル)でドーバー海峡を渡り、いよいよワゴン・リによる大陸区間の旅が始まりました。「わぁ、広~い」「すご~い」「きれい~」最初にキャビンに入ったときの私たちの言葉です。


80年以上も前に作られた車両を土台にしているとはとても思えず、その内装の華やかさに圧倒されてしまいました。座り心地・寝心地が良いソファー&二段ベッド、洗面台、ハンガーなど全てが骨董品のように思えました。また、スチュワードさんも親切丁寧な応対で、とても好感が持てました。さすがにちょっと緊張してしまったディナータイムですが、これまたおいしいフランス料理のフルコースに舌鼓を打ち、片言の日本語で「おいしいですか?」「ごちそうさま?」などとレストランスタッフに話し掛けれ、次第にリラックスできました。またサロンカーでは定番のカクテル「アガサ」をいただき、ジャズピアノの生演奏とともに夜が更けていきました。


翌朝目覚めると、スイス・オーストリアの国境付近で、アルプスの壮大さと自然のすばらしさに感動しながら朝食をいただき、ベッドに横になりながら車窓を眺めるという贅沢極まりない時間を過ごしました。その後は、景色を眺めたり、お土産を購入したり、昼食、アフタヌーンティーを楽しみました。午後にはいると山岳地帯が終わり、平野が広がり気温も上昇して、ベニスに近づいているのを実感しました。5時過ぎにベニス本島への橋に差し掛かると、「あ~いよいよ終わっちゃうね。また乗りたいね。」という感傷にひたってしまいました。今回のヨーロッパ旅行で、たくさんの鉄道に乗車しましたが、やはりオリエント・エクスプレスは別格で(当たり前ですが)、歴史を感じ、その優雅さ・贅沢さに感激しっぱなしでした。服装なども心配していましたが全く問題なく(妻の和服は好評でした。また英語もとてもわかりやすかったです。)、日本人はたまたま私たち一組しかいませんでしたが、スタッフや旅行者の方が気さくに話し掛けてくれて(日本人&年齢で目立っていた?)、非常に思い出深い新婚旅行となりました。機会があれば、またオリエント・エクスプレスに乗ってみたいです。


 
 
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